人口減少時代・AI時代と組織の姿

日本の名目GDPは、今年ドイツに抜かれて世界4位に後退しました。遡ると、日本がGDP世界2位になったのは、56年前の1968年のこと。その後2010年に中国に抜かれ3位、今年2024年はドイツに抜かれ4位に。為替の影響も大きいとは言え、下降トレンドにある事は間違いありません。一方、今後1年以内にはインドに抜かれ5位になるのはほぼ確定的で、新興国の勢いも感じます。この様な世界経済の変化の中で、今後の日本経済の行方は大変気になるところです。

さて、今後の経営戦略を考える上で、「経営環境分析」という手法が良く使われます。環境とは自社の状況(内部環境)と、自社を取り巻く状況(外部環境)の2つに分かれます。後者の外部環境に着目する場合、分析の切り口として良く使われるのは「政治・経済・社会・技術」の4つです(それぞれの英語の頭文字を取って”PEST”と言います)。これは大きな視点(マクロ)で分析する場合の視点です。細かく(ミクロ)で見る場合は、顧客・競合の切り口などを使います。

今後の大きな外部環境の変化としては、社会面ではやはり「少子高齢化と人口減少の進行」でしょう。これは今や誰もが懸念している事項ですね。労働人口は確実に減少していきます。また技術面では、人工知能(AI)の進化が挙げられます。AIというと、人に取って代わる存在というネガティブな印象も強いですが、逆に労働力減少を補ったり、新たな仕事を創出するきっかけになるかも知れません。

この2つの変化要因だけを取り上げて考えるだけでも、我々に突きつけられた課題が見えてきます。例えば、「労働力が減る中で、いかに人間にしか出来ない仕事をするか?」という課題です。この課題は、企業も労働者個人も、それぞれが考えないといけません。

キーワードは、「創造性」や「人間らしさ(情緒面・行動面)」。つまり、「AIに対する生身の人間の優位性を活かす」という観点です。中小企業経営においても経営者から従業員に至るまで、創造性や人間らしさを引き出し、事業に活かしていく方策を考える必要がありそうです。また顧客との接点においては、今まで以上に「対人関係能力」が重視されるでしょう。

関連して、企業の組織管理(マネージメント)のあり方も変化させるべきです。トップダウン的な号令で従業員を動かすよりも、組織メンバーに権限を分散して与え、メンバーそれぞれが考えて動く組織の方が、多様な視点で創造性を発揮しやすくなるでしょう。そうなると経営者側の「話を聞く・話を引き出すスキル」が、今まで以上に重要になってきます。

従来と同じ思考・行動パターンでは、閉塞感は抜けられません。「違う目線」を時代は必要としています。

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